あなたの親知らず、抜くべき?残すべき? – 判断基準と注意点
2025年12月27日
こんにちは!歯科医師の水野です。
早いもので今年も残すところ数日になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
親知らず(智歯・第三大臼歯)は、多くの方が一度は悩むテーマではないでしょうか。「痛いから抜いた方がいい?」「まっすぐ生えているなら残していい?」など、疑問は尽きません。
今回は、「抜歯した方が良い親知らず」と「そのまま残せる親知らず」の判断基準をわかりやすく解説します。
🦷抜歯が強く推奨される親知らず
親知らずの抜歯が必要かどうかを判断する最も重要な基準は、「病気やトラブルの原因になっているか」、または「将来的に重大なトラブルを起こす可能性が高いか」です。

1. 隣の歯を脅かす親知らず
親知らず自体は無症状でも、隣に生えている大切な第二大臼歯(奥から2番目の歯)に悪影響を与えている場合は、抜歯が強く推奨されます。
• 隣接歯の虫歯: 中途半端に生えている親知らずと隣の歯の間に汚れが溜まり、隣の歯を深く虫歯にしてしまう。
• 隣接歯の歯周病: 親知らず周囲の歯周ポケットが原因で、隣の歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けてしまう。
• 歯根の吸収: 埋まっている親知らずが、隣の歯の根を圧迫し、吸収させている。
2. 病的な変化を起こしている親知らず
親知らず自体に何らかの病変がある場合も抜歯の対象です。
• 智歯周囲炎の再発: 腫れや痛みが繰り返し起きる場合。
• 治療困難な虫歯: 傾いて生えているなど、通常の治療器具が届かず、虫歯の治療や清掃ができない場合。
• 嚢胞(のうほう)や腫瘍の形成: 埋伏した親知らずの周囲に袋状の病変や腫瘍ができている場合。

🦷そのまま残せる親知らず
一方で、親知らずが健康な状態を保ち、トラブルを起こしていない場合は、抜歯せずに残すという選択肢が優先されます。

1. 機能している親知らず
• まっすぐ生えて噛み合わせに参加している: 上下の歯としっかり噛み合っており、清掃状態も良好で、虫歯や歯周病の心配がない場合。将来、ブリッジなどの土台(支台歯)として使える可能性もあります。
2. 完全に埋まっていて無症状の親知らず
• 完全に骨の中に埋伏し、無症状: レントゲンやCTで確認して、隣の歯にも影響がなく、嚢胞などの病変も見られない場合。この場合、将来的な病変発生を防ぐため、定期的な経過観察が必要です。

🦷抜歯を考えるなら「若いうちに」
もし、あなたの親知らずが抜歯の適応であると診断された場合、一般的に15歳〜25歳頃の抜歯が推奨される傾向があります。
これは、年齢が若いほど、親知らずの根が完全に完成しておらず、骨も柔らかいため、抜歯の手術自体が比較的容易で、術後の回復も早いためです。高齢になるほど、骨が硬くなり、手術の難易度や合併症のリスクが高まる傾向があります。
🌟 大切なのは「個別診断」です
親知らずの抜歯は、患者さんごとのお口の状態、レントゲンやCTの所見、そして全身の状態を総合的に判断して決定されます。
「痛くないから大丈夫」と自己判断せず、まずは一度、歯科医院での精密な検査を受けることをお勧めします。当院では、患者さんの負担を最小限に抑えつつ、安全で確実な治療計画をご提案いたします。
ご自身の親知らずの状態についてご不安な方は、お気軽にご相談ください。


