咬合性外傷とは
2025年6月23日
こんにちは。
歯科助手・トリートメントコーディネーターの川上です。
先々週梅雨入りの発表がありましたが、夏のような暑い日が続いてますね。この暑さに体が慣れず体調など崩されていませんか?熱中症も怖いですね。しっかり水分をとって無理せずお過ごし下さい。
さて、今回のブログテーマは、「咬合性外傷について」です。あまり聞き慣れない言葉ですよね?
「虫歯ではないけど歯が痛い…」
「歯がグラグラする…」
「よく詰め物が取れる…」
もしかしたらその症状、咬合性外傷の可能性があります。
◉咬合性外傷とは?
噛み合わせ(咬合)の負担によって歯や歯周組織にダメージが生じることを言います。
歯は日常的に上下で接触し、咀嚼や会話に関わっていますが、噛み合わせが不適切であったり、過剰な力が特定の歯や歯列に集中することによって引き起こされます。
◉咬合性外傷の主な原因
・歯ぎしりや食いしばり
・歯並びや噛み合わせのズレ
・被せ物や詰め物の高さが合っていない
・歯周病で歯を支える骨が弱っている

◉咬合性外傷の主な症状
歯や歯周組織に現れる症状
・歯の動揺
・歯の痛み(特に咬んだ時)
・歯がしみる
・歯が浮いたような感覚
・歯の咬耗
・極端な場合は歯の破折や脱臼
歯周組織の症状
・歯肉の腫れや出血
・歯周ポケットの増加
・歯槽骨の吸収(レントゲンで確認)
◉咬合性外傷の種類
咬合性外傷にも種類があります。
・一次性咬合性外傷
一次性咬合性外傷は、歯ぎしりやくいしばりによって強い力が加わって起こる歯周組織の外傷です。
・二次性咬合性外傷
二次性咬合性外傷は、すでに歯周病などで歯を支える組織(歯周組織)が弱っている状態で、通常の噛む力(咬合力)でもダメージを受けてしまう状態を指します。
二次性咬合性外傷では、咬合の調整だけでなく、歯周病のコントロールが不可欠です。
◉治療法・対処法
咬合性外傷の治療には、原因を取り除くことが第一です。
・歯ぎしり、くいしばりが原因:ナイトガード(マウスピース)の装着、ボツリヌストキシン療法
・噛み合わせの問題:噛み合わせの調整や矯正治療
・被せ物の調整:高さの再調整や再作製
・歯周病がある場合:歯周治療の併用が必要
咬合性外傷は、早めの発見と対処で予防・改善が可能です。「なんとなく違和感がある」や「噛んだ時に歯が痛い感じがする」など気になる症状がある方は、早めに当院にご相談下さい。
歯周病と喫煙
2025年6月14日
こんにちは。歯科医師の大石です。
タバコと歯周病の関係、実は思っている以上に深いんです。喫煙は、歯周病をただ悪化させるだけでなく、発症リスクを高め、治療の邪魔までする、まさに「三重苦」をもたらします。
喫煙が歯周病に与える影響
喫煙は、歯周病の発症リスクを飛躍的に高めます。非喫煙者に比べ、喫煙者は歯周病にかかるリスクが2倍から9倍も高まると言われています。特に、1日10本以上の喫煙を10年以上続けている方は、そのリスクがさらに高まる傾向にあります。
なぜ喫煙がそんなにも歯周病に悪いのでしょうか?主な理由は以下の通りです。
* 血行不良を引き起こす: タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、一酸化炭素は血液の酸素運搬能力を低下させます。これにより、歯ぐきへの血流が悪くなり、酸素や栄養が行き渡りにくくなります。歯周組織は酸欠状態になり、抵抗力や修復力が落ちてしまうんです。
* 免疫力を低下させる: 喫煙は、体を守る免疫細胞の働きを弱めます。歯周病菌と戦う白血球の機能が低下するため、感染に対する抵抗力が落ち、炎症を抑える力も弱まります。
* 口の中の環境を悪化させる: タバコのヤニは歯にこびりつき、歯周病菌がつきやすい環境を作ります。また、唾液の分泌量も減るため、口の中の自浄作用が低下し、細菌が繁殖しやすい状態になってしまうんです。
* 自覚症状が出にくい: 喫煙による血行不良は、歯ぐきの炎症や出血といった初期症状を隠してしまうことがあります。そのため、歯周病がかなり進行するまで気づかず、治療の開始が遅れてしまうケースも少なくありません。
歯周病が進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまい、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。喫煙者は非喫煙者に比べて、この歯の喪失リスクも著しく高いことがわかっています。
治療への影響とインプラント
喫煙は、歯周病の治療効果も大きく損ねます。血管が収縮しているため、治療で除去された歯周病菌から回復するための治癒反応が鈍くなり、せっかくの治療効果が得られにくくなるんです。手術後の傷の治りも遅く、再発のリスクも高まります。
特にインプラント治療を検討している方は要注意です。喫煙者はインプラントが骨に結合しにくいだけでなく、インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)になるリスクも高く、インプラントの脱落率が非喫煙者よりも有意に高まることが報告されています。
禁煙がもたらすメリット
しかし、希望もあります。禁煙は、これらの悪影響を大きく改善します。禁煙を始めると、数週間で歯ぐきの血流や免疫機能が正常に戻り始め、健康な状態に近づいていきます。歯周病にかかるリスクは徐々に低下し、5年から10年後には非喫煙者と同じくらいまで改善すると言われています。
治療と並行して禁煙すれば、歯周組織の状態は劇的に改善し、治療効果も格段に高まります。禁煙は、歯周病の予防、進行の抑制、そして治療の成功に不可欠な要素なのです。
まとめ
喫煙は、歯周病の発症から進行、治療の成否、そして歯の寿命にまで深刻な悪影響を及ぼします。口腔内の健康を守るためにも、禁煙は非常に重要です。もし喫煙されているのであれば、ぜひ禁煙を検討してみてください。
当院では歯周病治療を行っております。ご相談お待ちしております。
TCとカウンセリングについて
2025年6月6日
こんにちは!歯科技工士の今井です🦷
先日、トリートメントコーディネーター(TC)のセミナーを受けてきました!
歯科医院で「トリートメントコーディネーター(TC)」という言葉を聞いたことはありますか?
TCとは、患者さんと歯科医師・スタッフとの“橋渡し”をする役割を担った専門スタッフのことです。
「治療の説明を聞いたけど、ちょっと難しかったな…」
「先生には聞きづらいことがある…」
そんな時に、患者さんの気持ちに寄り添いながらわかりやすくご案内したり、
不安や疑問を一緒に解消するのが私たちTCの役割です。
歯医者さんに行くと、「まずはカウンセリングから始めますね」と言われることがありますよね。
でも、「何を話せばいいの?」「難しい説明だったらどうしよう…」と不安に感じる方もいらっしゃると思います。
私たちが大切にしているのは、患者さんご自身が納得したうえで安心して治療を受けていただくこと。
そのために、カウンセリングの時間をしっかりと設けています。

まず、現在のお口の状態や気になる症状、過去の治療経験などをお伺いします。
そのうえで、検査結果やレントゲン画像などを一緒に確認しながら、どんな治療が必要なのか、
どういった選択肢があるのかを、患者さんお一人おひとりとしっかり向き合いながら、
丁寧にカウンセリングをおこなっています。
特に自費診療では、素材や治療方法のバリエーションが多いため、費用や通院期間も大きく異なります。
それぞれのメリット・デメリットをご説明し、ご希望やライフスタイルに合った治療法を提案しています。
「こんなこと聞いていいのかな?」と思うようなことも、TCに遠慮なくご相談ください!
当院には4名のTCが在籍しており、初診カウンセリングから治療計画のご説明、自費診療のご相談まで、
常に連携を取りながらカウンセリングをしています。
患者さんが「ちゃんと理解できた」「納得して治療を受けられた」と思えるように、
親身に寄り添う存在でありたいと思っています。
どんな小さなことでも、ぜひ気軽にご相談くださいね😊
お口のことって相談するのに勇気がいりますよね。
恥ずかしくて身近な人には言えないことも、当院のTCが全て受け止めます!
まずは当院に一度ご相談ください。
みなさまのご来院を心よりお待ちしております!