保険治療と自費治療って何が違うの?
2025年9月20日
歯科医師の蔡です。
歯科医院に行くと、治療を受ける際に保険治療と自費治療についての説明を受けた方もいると思います。
一般的に自費治療は高額で、なかなか受け入れにくい側面もあると思いますが、保険治療とどういった面が違うのか簡単に説明したいと思います。
歯科治療には大きく分けて「保険治療」と「自費治療」があります。
同じ治療内容に見えても、使える器具や材料、治療にかけられる時間などに違いがあります。今回はその違いをわかりやすくご紹介します。
1. 精密治療の違い
-
保険治療
保険で認められている範囲内で治療を行うため、使用できる機材や工程に制限があります。例えば、肉眼での治療が中心となり、患部の細かい部分までは確認が難しい場合があります。 -
自費治療
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使用し、肉眼では見えないレベルの細部まで確認しながら治療できます。また、ラバーダム(治療部位を唾液や細菌から守るシート)を用いることで、より清潔かつ精密な治療が可能です。結果として、再発のリスクを抑え、長持ちしやすい治療につながります。
2. 材料の違い
-
保険治療
使用できる材料は国が定めたものに限られます。たとえば、銀歯や一部のプラスチック素材(レジン)などです。強度や審美性に限界がある場合があります。 -
自費治療
セラミックやジルコニア、ゴールドなど、見た目・耐久性に優れた材料を選べます。変色や摩耗が少なく、見た目が自然で長持ちする点が特徴です。
3. 治療にかけられる時間の違い
-
保険治療
保険制度のルールに沿って進める必要があるため、1回あたりの診療時間や治療工程に制約があります。 -
自費治療
限られた枠に縛られないため、1本1本の歯にしっかりと時間をかけ、丁寧に治療できます。その分、仕上がりの精密さや満足度が高くなります。
まとめ
保険治療は「最低限の機能回復」を目的としています。
一方で、自費治療は「より精密に、より美しく、より長持ちする治療」を目指せる選択肢です。
どちらを選ぶかは患者さんのご希望やお口の状態によって異なります。
気になる方はお気軽にご相談ください。



