見えないむし歯の怖さ
2025年8月6日
こんにちは。
歯科衛生士の宮内です。
暑い日が続いていますが、皆さん体調はいかがですか?
暑い日には、冷たいジュースやアイスが食べたくなりますよね。
飲み過ぎ、食べ過ぎるとむし歯のリスクが急激にアップします。
要注意です!
今回のテーマは「見えないむし歯の怖さ」についてです。
「縁下カリエス」という言葉をご存知でしょうか?
むし歯といえば、歯の表面にできるものをイメージすると思いますが、
歯ぐきの下(歯肉縁下)で進行するむし歯があるのです。
それが「縁下カリエス」です。

<縁下カリエスの特徴>
• 歯ぐきの下にできるむし歯。
• 通常のむし歯と違い、歯ぐきで隠れているため発見が遅れることが多い。
• 差し歯や被せ物の縁から起こることが多い。
• 装着物の境目がわずかにずれていると、そこに細菌が入り込み、縁下カリエスを引き起こす。
• 進行が早く、深刻なケースになりやすい。
• 歯ぐきの下で進行するため、歯根(歯の根っこ)までダメージが及び、抜歯が必要になる場合も。
このように、歯ぐきの下で進行していくことから、「縁下カリエス」は非常に厄介なむし歯です。
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<縁下カリエスの原因>
1. 適合が悪い被せ物・詰め物
2. 歯周病による歯ぐきの退縮
3. セルフケア不足(歯間ブラシやフロスの不使用)
4. 加齢による歯肉の後退
縁下カリエスの原因は様々です。
何よりも、被せ物の隙間や細かい部分の汚れを除去することで、むし歯を予防することができます。
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<縁下カリエスの症状>
• 初期には自覚症状がほとんどない
進行すると…
• 歯ぐきの腫れや出血
• 被せ物が外れる
• 歯がしみる
• 歯ぐきから膿が出る
• 最終的には歯がグラグラすることも!?
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<縁下カリエスの治療法>
○初期の場合
• 被せ物の除去・再作製
• むし歯部分の除去と樹脂やインレーで修復
○進行している場合
• 歯周外科手術(フラップ手術)で歯ぐきを開いて治療
• 歯根のダメージが大きい場合は抜歯
○抜歯後の選択肢は・・・
• インプラント
• ブリッジ
• 入れ歯
一度、歯を失うとインプラントやBrなどの大掛かりな治療になっていまします。
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縁下カリエスを防ぐには?
1. 定期的な歯科検診(3〜6ヶ月ごと)
2. 精度の高い被せ物を選ぶ(セラミックなど)
3. 正しいブラッシング+フロスや歯間ブラシの使用
4. 歯周病ケア
当院では、何もない方でも3ヶ月ごとのクリーニングを実施しております。
また、1年に1回レントゲン写真を撮影して直接見ることのできない歯の根や骨の状態も確認しています。
問題がない時こそ、歯医者に通ってむし歯の予防をすることが大切です。

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まとめ
縁下カリエスは「気づいた時には手遅れ」となりやすい、非常に厄介なむし歯です。
見た目では分かりづらいからこそ、予防と早期発見がカギとなります。
差し歯や被せ物を入れている方は特に注意し、定期検診とセルフケアを怠らないようにしましょう。
院内勉強会
2025年8月3日
こんにちは!歯科医師の飯田です。
今回は、先日行われた院内勉強会の様子をご紹介します。
普段の診療の裏側では、スタッフみんなでこうした学びの時間を持っています。
今回のテーマは2つ。
1つ目は、矯正治療で使われる「インプラントアンカー」についての実習。
2つ目は、「マイクロスコープを使ったケア」と「患者さんへの伝え方」についての研修です。
■矯正用インプラントアンカーの実習🔩

「インプラント」というと、歯を失った時の治療を思い浮かべる方も多いと思いますが、
矯正治療では、小さなネジのような“支え”を一時的に使うことがあります。これが矯正用インプラントアンカーです。
このアンカーを使うことで、動かしたい歯だけを正確にコントロールできるため、治療の効率や仕上がりに大きく関わります。
今回の実習では、
- CT画像で骨や神経の位置を確認
- 埋入位置や角度を安全に決める
- 模型を使って実際に埋入体験
…という流れで、実践的に学びました。

インプラントアンカーを入れている所

実際に入った所

入った後にCTで確認中
📸 写真でもわかるように、
ミスのないよう真剣な表情で取り組んでいます💡
患者さんに安心して受けていただくためにも、
「どんな装置?」「痛みは?」「見た目は?」といったご不安にもきちんとお答えできるよう、私たちも日々トレーニングを重ねています。
■マイクロスコープ活用と伝え方の研修🔍🗣
後半は、衛生士・TC(トリートメントコーディネーター)チームで、
マイクロスコープの使い方と、患者さんへの説明の工夫について学びました。

マイクロスコープは、最大20倍まで拡大できる歯科用の顕微鏡です。

小さな歯石や炎症、詰め物の劣化など、肉眼では見えにくい部分もはっきり確認できるため、より精密なケアが可能になります。
研修では、
- 使用のコツ(視野確保・ミラー操作など)
- 実際の映像を使った説明の仕方
- 患者さんの「気づき」につながる声かけ
といった、臨床+コミュニケーションの両面から学ぶことができました。
患者さんご自身にお口の中を「見てもらう」ことで、
「自分の歯ってこんな風になってるんだ」と納得が生まれ、
セルフケアへのモチベーションアップにもつながります。
■伝える力も“医療の一部”
今回の研修では、TC(トリートメントコーディネーター)から、
患者さんに治療の選択肢や必要性をどう伝えるかという話もありました。


大切なのは、「ただ説明をする」ではなく「一緒に考える」というスタンス。
治療の内容だけでなく、気持ちにも寄り添った説明をすることが、
信頼関係を深める第一歩になります。
■さいごに
今回の勉強会を通して、
「見えない部分の治療」も「見える化して伝える」ことの大切さを改めて感じました。
これからもスタッフ一同、技術・知識・伝える力をしっかり磨きながら、
皆さまが安心して通える医院づくりを目指してまいります😊
支台歯形成セミナーを受けて来ました!
2025年8月1日
支台歯形成セミナー
ブログを読みに来ていただいた皆さんこんにちは、こんばんは。歯科医師の鈴木です。
今回は美濃焼で有名な岐阜県は多治見市に支台歯形成(しだいしけいせい)セミナーに参加して来ました。
「支台歯形成」とは、歯科治療において、クラウン(被せ物)やブリッジなどの補綴物(ほてつぶつ)を装着するために、土台となる歯を適切な形に削り整える処置のことです。

誤った設計、形成をすることによって以下の弊害が起こる可能性があります。
①被せ物が外れやすくなる
②被せ物が割れやすくなる
③審美的でなくなる
④物が詰まりやすくなったりそれに伴い歯茎に
炎症が起こる
⑤噛み合わせが悪くなる
この事から支台歯形成は、非常に繊細で精密な技術が求められる処置なのです。
これからも患者さんの歯の寿命を最大限に伸ばせられる処置をできるよう精進していきたいと思います。