口臭について
2023年9月4日
こんにちは。歯科技工士の関です!
暑かった今年の夏もようやく落ち着いてきましたが、まだまだ水分補給を忘れずにお体に気をつけてお過ごしください!
今回は口臭についてお話をしたいと思います。
口臭にも様々な種類があり考えられる原因や対策も異なるので、もし気になる方は参考にしてみてください!
口臭とは?
口から吐き出される息のにおいが、社会的許容限度を超えるものを総称して口臭といいます。
口臭は口の中の細菌が、はがれた粘膜の細胞や歯周ポケットからの浸出液、食物残渣などのたんぱく質を分解して発生する揮発性の硫黄化合物が原因と考えられています。
口臭の種類
「口臭」とは、呼吸や会話をする時に口から出る「不快に感じるニオイ」ですが、原因により大きく4つに分類されます。
1. 生理的口臭
口腔内が不衛生な時や起床直後、空腹時、緊張時など、口の中の細菌が増殖して発生する口臭です。ニオイの強さは1日の中で変化し、歯みがきや食事を取ることにより弱まります。また、加齢や、女性の生理に伴う口臭も報告されています。
健康な人でも発生し、日常のオーラルケアで対処可能なのは「生理的口臭」です。
2. 病的口臭
歯周病や進行したむし歯など、口の中の病気が原因で発生する口腔由来の口臭と、糖尿病や肝臓病など、からだの病気が原因で発生する全身由来の口臭があります。
3. 外因的口臭
にんにく、ねぎなどのニオイのある食品、酒、タバコなどによる口臭で、多くは時間の経過とともに弱まります。
4. 心因性口臭
口臭検査でも口臭が認められず、本人だけが口臭があると思い込む口臭です。自臭症とも言われます。
ここからは、生理的口臭や口腔由来の病的口臭など、口の中に原因がある口臭の原因について説明します。
発生メカニズム
食べかすや口の中のはがれた粘膜、歯周ポケットからの浸出液、血液成分などには「たんぱく質」が含まれており、そのたんぱく質を歯垢や舌苔、唾液の中の細菌が分解することにより口臭の原因物質が作られ、口臭が発生します。
就寝時は唾液の分泌が減少し、自浄作用(唾液が自然に洗い流す作用)が働きにくくなるため、細菌が増殖しやすくなります。それに伴って起床の直後は口臭が発生しやすくなります。また、緊張している時なども、唾液が減少するため口臭が発生しやすくなります。
口臭をケアする方法
①歯を磨く
シンプルな方法ですが、歯を磨くことは口臭の有効な対策の一つだと考えられます。
口臭の原因の多くは口の中にあります。
食べかすなどが舌の表面に付着して細菌が繁殖し舌苔になることで、口臭の原因になってしまうと考えられています。
忙しいといった理由からつい歯磨きがなおざりになってしまっているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
食後には丁寧に歯磨きをし、口内を清潔に保つよう心掛けましょう。
②舌苔(ぜったい)を除去する
「歯はきちんと磨いているはずなのに、口臭が気になる……」
このようにお悩みの方もいらっしゃるかもしれませんね。
歯だけでなく、舌もきれいにすることで口臭を和らげることができるかもしれません。
舌についた舌苔が口臭の原因になっているかもしれない場合は、舌苔の除去を行いましょう。
舌苔は専用の舌ブラシや毛先の柔らかい子ども用の歯ブラシ、目の粗いタオルなどで除去することができます。
ここでは舌ブラシで舌苔を除去する方法をご説明します。
まず鏡を見ながら舌を前に突き出し、奥の方に舌苔が付いていないか確認してください。
舌ブラシを奥の方に軽く当て、手前に向かってそっと引きます。
息を止めながら行うことで、吐き気を催すことなく舌をきれいにできますよ。
一度舌苔を除去した舌ブラシは水道水でよく洗い、汚れが付いてこなくなるまで繰り返しましょう。
前後にこすったり、力を入れ過ぎたりしないよう注意してくださいね。
舌の掃除は起きたときに1回行う程度で十分です。
やり過ぎると舌の粘膜を傷付けてしまう可能性があるため、注意しましょう。
③口内の乾燥を防ぐ
口内の乾燥を防ぐことも口臭対策になると考えられます。
唾液が減り乾燥した状態は「ドライマウス(口内乾燥症)」といい、口臭の原因にもなります。
口臭は細菌がたんぱく質などを分解することで発生しますが、唾液には洗浄・殺菌・抗菌の作用があるため口内をきれいにし細菌の繁殖を防いでくれると考えられるのです。
ドライマウスは薬の副作用やストレス、緊張のほか、口呼吸で唾液が蒸発することによっても起こります。
リラックスする、口呼吸を減らして鼻で呼吸するといったことを心掛けてみましょう。
また唾液の分泌は咀嚼によって促されるため、食事をよく噛んで食べたり、ガムなどを噛んだりするのもおすすめですよ。
④禁煙する
たばこを吸っている方は、禁煙することも視野に入れましょう。
口臭の対策には唾液の分泌量を十分に保つことが重要ですが、たばこは唾液の分泌を抑制してしまうのです。
唾液の分泌が低下すると口内の自浄作用が衰え、歯に歯垢が付きやすくなるため歯周病にもつながると考えられます。
またたばこを吸うことによってニコチンやタールの臭いが口腔に残り、直接的にも口臭の原因となります。
たばこは健康にもさまざまな害を及ぼしてしまうため、これを機会に禁煙を検討しましょう。
これまでの内容を踏まえた上で、口臭を改善するには、まずは原因がなんであるかを明確にして、それにあった治療や予防をしていくことが大切です。
また、口臭が重篤な歯周病や全身的な身体の病気のサインにもなり得ることがあります。
口臭が気になった方は是非お早めにご相談してください!