TCHについて
2024年1月22日
皆さんこんにちは!歯科技工士の関です。
年末年始が終わり少しずつ落ち着いてきた頃だと思いますが、最近は体調不良者が増えてきているので皆さんもお身体には気をつけてお過ごしください。
今回のテーマは「TCH」についてです!
皆さんはTCHというものをご存知でしょうか?
TCHとはTooth Contacting Habit の略で、日本語で言えば、上下の歯を接触させる癖のことです。
食事以外で上下の歯を接触させる癖といえば、「ブラキシズム」または、「かみしめ癖」や「くいしばり癖」、いわゆる「歯ぎしり癖」が挙げられます。
しかし実際には、日中何かに集中したり、緊張した状況で、上下の歯を わずかに軽く「くっ」と接触させる癖が、東京医科歯科大学の歯科顎関節治療部での顎関節治療を受けられる患者さんに多く認められたことより、木野准教授を中心にしたグループでこの「TCH」が提唱されました。
ちなみに皆さんは、歯が接触している時間は、1日どれくらいだと思いますか??
なんと、、、24時間のうち歯が接触しているのはたったの20分程度といわれています!!
通常、リラックスした状態であれば上下の歯の間にはわずかなすき間が生じています。しかしながら、TCHがある方は上下の歯を気付かずに長時間にわたり接触させてしまっているんですね。
TCHの原因は、
・パソコンやスマホなどうつむいた状態での操作が自然に歯を接触させるため
・またストレスなど軽度な緊張が持続することで歯の接触する機会が増えるため
と言われています。
上下の歯の接触時間が長くなると、
・歯への過剰負担によるトラブル
→歯が割れたり、欠けたりする
・顎関節症
→口が開きづらい・カクカクする・顎の痛みや違和感が出る
・筋肉の緊張や疲労
・知覚過敏の悪化
・頭痛、肩こりなど頭部周辺の違和感
など様々な問題点を引き起こしてしまう可能性があります。
TCHの対処法として、まず無意識に歯を合わせ
ていることを本人が自覚し、その癖をやめるようにすることが大切です。
パソコンやスマホやテレビのリモコン、トイレ、食卓などに「歯を離してリラックス」と書いた紙を貼るなどして、
自己認識しやすい環境をつくりましょう。
こうした意識付けを2〜3か月続けることで、習慣化されTCHがなくなってきます。
また、ストレスもTCHの原因の一つと考えられています。普段からストレスを溜め込まず発散することも大切になってきます。
・力が分散され、歯のすり減りを防止し歯を守ってくれます
・つめ物などの補綴物を長持ちさせることができます
・顎の筋肉疲労が減り、痛みや疲れの症状が改善される可能性があります
自分で気づかぬうちに、さまざまな症状を引き起こしてしまうTCH。
当院ではTCHなどの食いしばり癖などに対してマウスピースやボツリヌストキシン注射などを用いた専門的な治療をおかなっています。
気になる方は、ぜひ当院スタッフまでご相談ください。