マウスピース矯正を始める前に知りたい!メリットとデメリット
2025年11月13日
こんにちは!
歯科衛生士の宮内です。
一気に冷え込み、いよいよ冬が近づいてきましたね。
みなさん、体調には十分気をつけてください。
「歯並びをきれいにしたいけれど、銀色のワイヤーが見えるのは抵抗がある…」
「接客業だから、目立たずに矯正治療がしたい」
最近、このようなお悩みで「マウスピース矯正」に関心を持たれる方が非常に増えています。
透明で目立たないマウスピース矯正は非常に魅力的な治療法ですが、治療を始めてから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためには、
良い点(メリット)だけでなく、知っておくべき注意点(デメリット)も理解しておくことが大切です。
この記事では、マウスピース矯正を検討している皆さまが、ご自身に合った治療法を選べるよう、メリットとデメリットを分かりやすく解説します。
そもそも、マウスピース矯正とは?
マウスピース矯正(アライナー矯正とも呼ばれます)は、従来のワイヤーを使う矯正とは異なり、透明なプラスチック製のマウスピースを使って歯を動かす治療法です。
患者さん一人ひとりの歯型に合わせて作られたマウスピースを、治療計画に沿って1〜2週間ごとに新しいものに交換していくことで、少しずつ理想の歯並びに近づけていきます。

🤩 マウスピース矯正の「5つのメリット」
まずは、マウスピース矯正が選ばれる理由、その魅力的なメリットから見ていきましょう。
1. 【見た目】透明で目立たない!周囲に気づかれにくい
これが最大のメリットと言えるでしょう。
装着するマウスピースは透明なため、非常に目立ちにくいのが特徴です。
会議中や接客中、友人との食事の際も、矯正していることに気づかれることはほとんどありません。
「矯正中の見た目」がネックで治療をためらっていた方にとって、大きな後押しとなります。
2. 【快適さ】取り外し可能!食事も歯磨きもいつも通り
ワイヤー矯正と違い、マウスピース矯正はご自身で簡単に取り外すことができます。
- 食事: ワイヤー矯正のように「食べ物が装置に挟まる」「硬いものが食べられない」といったストレスがありません。食事の際は外し、普段通り好きなものを楽しめます。
- 歯磨き: 装置を外して隅々まで歯ブラシが届くため、非常に衛生的です。ワイヤー矯正に比べて、矯正中の虫歯や歯周病のリスクを低く保つことができます。
3. 【痛み・違和感】ワイヤー矯正と比べて痛みが少ない傾向
ワイヤー矯正は、装置が口の中の粘膜に当たって口内炎ができやすい、というデメリットがありました。
マウスピース矯正は、滑らかなプラスチック製のため、口内炎などのトラブルが起こりにくいのが特徴です。
また、歯を動かす力も比較的マイルドにかけるため、ワイヤーを調整した直後のような強い痛みを感じることは少ないと言われています。
(※歯が動く違和感や、交換直後の締め付け感は個人差があります)

4. 【金属アレルギー】金属を一切使用しない
装置は医療用のプラスチック製です。
金属を一切使用しないため、これまで金属アレルギーが心配で矯正治療を断念していた方でも、安心して治療を受けることができます。
5. 【通院】通院回数が比較的少ない
ワイヤー矯正は、月に1回程度、ワイヤーの調整や交換のために通院が必要なのが一般的です。
マウスピース矯正の場合、治療計画に基づいた複数のマウスピースを事前にお渡しできるため、通院回数を1ヶ月半〜3ヶ月に1回程度に抑えられるケースが多くあります。お仕事や学業で忙しい方、遠方から通院される方にとっても大きなメリットです。
🤔 知っておくべき「4つのデメリット(注意点)」
素晴らしいメリットがたくさんありますが、逆に「大変なこと」「守らなければならないルール」も存在します。
ここをしっかり理解することが、治療成功の鍵です。
1. 【自己管理】「1日20〜22時間以上」の装着が必須
これが最も重要なポイントです。 マウスピース矯正は、患者さんご自身の協力が不可欠な治療法です。
決められた装着時間(食事と歯磨きの時間以外、ほぼ1日中)を守れないと、計画通りに歯が動きません。
「外している方が楽だから」「ついうっかり」と装着時間が短くなると、治療期間が延びてしまったり、最悪の場合、マウスピースが合わなくなって作り直しになったりする可能性もあります。
2. 【手間】飲食のたびに「着脱」と「清掃」が必要
メリット(取り外せる)の裏返しでもあります。
- 水以外の飲食はNG: マウスピースを装着したまま糖分や酸を含む飲み物(ジュース、コーヒー、スポーツドリンクなど)を飲むと、マウスピースと歯の間に糖分が入り込み、虫歯のリスクが急激に高まります。
- 着色の問題: コーヒー、紅茶、カレーなど色の濃いものを飲食する際も、必ず外す必要があります。
- 毎食後の歯磨き: 食後に歯磨きをせずマウスピースを戻すと、食べカスが残ったまま歯を密閉することになり、これも虫歯や口臭の原因となります。
「ちょっとだけ間食」「カフェで一息」といった場合でも、着脱と清掃が必要になるため、ライフスタイルによっては面倒に感じるかもしれません。
3. 【適応】すべての歯並びに対応できるわけではない
マウスピース矯正は進化していますが、残念ながら万能ではありません。
抜歯が必要なケースや、骨格的なズレが非常に大きい重度の症例では、マウスピース矯正だけでは治療が難しかったり、ワイヤー矯正の方が効率的であったりする場合があります。
ご自身の歯並びがマウスピース矯正に適しているかどうかは、精密検査をしてみないと分かりません。

4. 【管理】紛失・破損のリスク
取り外しができるため、外したマウスピースの管理もご自身の責任となります。
よくあるトラブルが、「外食時にティッシュにくるんで置いていたら、そのまま捨ててしまった」「ペット(特に犬)にイタズラされて壊された」といったケースです。
紛失・破損すると、再作成のために時間と費用がかかる場合があるので、専用ケースでしっかり管理する必要があります。
💡【まとめ】マウスピース矯正が向いている人・注意が必要な人
メリットとデメリットを踏まえて、どのような方に適しているかまとめます。
<マウスピース矯正がおすすめな人>
- 「矯正していることを他人に知られたくない」人
- 「食事や歯磨きを今まで通り快適に行いたい」人
- 「装着時間を守れる自信がある」自己管理が得意な人
- 「金属アレルギーが心配な」人
- 「頻繁な通院が難しい」人
<ワイヤー矯正なども検討した方が良い人>
- 「ついサボってしまう、ズボラさん自覚がある」人
- 「間食や飲み物を飲む回数が非常に多い」人(着脱がストレスになるかも)
- 「歯並びの乱れが非常に大きい」人(適応外の可能性があるため要相談)
まずは「知ること」から始めましょう
マウスピース矯正は、ルールをしっかり守ることができれば、見た目や快適さにおいて非常に優れた治療法です。
しかし、ご自身のライフスタイルや性格、そして何より「現在の歯並びの状態」に合っているかどうかが最も重要です。
「私の場合はどうなんだろう?」「費用は?期間は?」と少しでも気になったら、まずは専門家である歯科医師にご相談ください。
マウスピース矯正で治療可能か、期間はどれくらいか、などもシミュレーションできます。 お気軽にご相談ください。



