削らずに歯を綺麗にする治療とは?
2024年5月27日
こんにちは!
歯科衛生士の宮内です。
夏に向けて気温が上昇しているなか、皆さんはどうお過ごしですか?
今回は「スーパーエナメル」についてお伝えしていきます。
皆さんは、スーパーエナメルを聞いた事がありますか?
スーパーエナメルとは簡単に「歯を一切削らないつけ爪」のようなイメージです。
歯を白くする方法にはいくつかあります。
それは皆さんご存じのホワイトニング。
それ以外では、セラミックの被せ物やラミネートベニアなどがありますが、健康な歯を削るという大きなデメリットがあります。
このデメリットを解消したのが「スーパーエナメル」です。
具体的には非常に薄いべニアを歯に張り付ける方法となります。
今まで、歯を削ることに抵抗があった方も安心して治療を受ける事ができます。
同じような治療法としてはラミネートべニア法がありますが、何が違うのか?
ラミネートべニア法も「つけ爪のような治療法」と言われますが、実は、歯の表面を一定量削る必要があります。
しかし、スーパーエナメルは、本当に一切歯を削らず、歯になる部分を「貼り付ける」治療法です。
これが大きな違いです。
ラミネートベニア(歯を削る)
スーパーエナメル(歯を削らない)
【スーパーエナメル療法のメリット・デメリットとは?】
メリット
- 歯を削らずに白くできる
- 削る作業が必要ないため治療中の痛みがほぼない
- ラミネートべニア法よりも安価
- つけ爪のように歯に張り付けるだけで済む
- 外したくなったら、比較的容易に外すことができる
デメリット
- 歯ぎしり、食いしばりがある方は割れたり、剥がれたりすることがある
- 若干の厚みがあるため、初めのうちは違和感がある
- 下の前歯は基本的に適応外
- 複数本やらないと色が合わせにくい
スーパーエナメルは歯を削らない為、割れてしまったり形の修正が必要な場合は剝がして元の歯に戻すことも可能です。
【スーパーエナメルの適応は?】
・すきっ歯
・テトラサイクリン歯、着色歯、変色歯、白濁歯等
・欠けた歯、薄くなった歯、酸蝕歯、不格好な歯
・ブラックトライアングルの解消
・樹脂(レジン)で継ぎ接ぎした歯
・悪い歯並び
画像のような状態でもスーパーエナメルであれば改善できます。
歯を削ると歯の寿命が短くなります。
スーパーエナメルは歯を削らずに、従来の歯を削る治療よりもより綺麗で美ししい歯を手に入れることができる治療方法です。
また、よく見える前歯を美しくすることで自然に笑顔も増えます!
健康な歯のまま理想の歯の色・形にしたい方、是非一度ご相談ください。
歯磨きの時に血が出るのはなぜ?
2024年5月13日
皆さんこんにちは!歯科技工士の関です。
5月に入りましたが、最近気温の変化が激しいので皆様も体調には気をつけてお過ごしください!
さて、今回のテーマは「歯磨きの時に血が出るのはなぜ?」です。
早速ですが、皆さんは1日何回歯磨きをしていますか?歯磨きは食べたら磨くが基本です。
そのため、1日3回磨くのがベストとされています。
けれども、様々な事情で毎食後の歯磨きが厳しい方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合は、夜寝る前のタイミングでしっかり時間を取り、丁寧に磨くようにしてください。就寝中は唾液の分泌が減り、虫歯菌の活動が活発になります。
寝る前にお口の汚れを取り除き、虫歯菌の増殖を防ぐことで少しでもお口の清潔を保つようにしましょう。
それではここで本題に戻ります。歯磨きの時に血が出るのはなぜでしょうか?いくつか理由が考えられるので紹介します。
ストレスの蓄積
疲れが溜まっていたり寝不足が続いていたりすると私たちの歯茎は出血しやすい状態になります。
良くない生活習慣がある人は、どうしても免疫力が低下しがちです。免疫がさがると、普段抵抗できている菌にも十分に抵抗できません。
口の中にはもともと多くの菌が存在し、その中には歯周病菌も存在します。歯周病菌に抵抗できなくなると歯茎は炎症を起こしやすくなり、結果として血が出やすくなってしまうのです。
全身疾患
糖尿病や様々な免疫が下がる疾患にかかっている場合、歯周病が出やすくなります。
また歯茎の菌への抵抗が弱くなり腫れたり炎症を起こしてしまいやすくなります。
歯周病
誰でも何らかの歯ぐきの病気にかかっている可能性があります。
歯ぐきの病気には様々な種類があり、いずれもお口の健康に影響を与えます。
治療しないで放っておくと種類によっては、がん、糖尿病、心疾患のリスクが高まることもあります。ここで歯周病について少し詳しくお話したいと思います。
◇歯周病とはなにか
以前はなかった歯ぐきからの出血、口臭、起床時のねばつきなどが気になるようになったら要注意。
歯周病の初期段階のサインかもしれません。
知らず知らずのうちに進行しているのが歯周病の恐ろしい所ですがそのまま進行すると炎症が骨まで進み、歯がグラグラ揺れたり歯ぐきがブヨブヨするといった症状が出始めます。
そして最終的には歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病の原因はさまざまですが、口の中に残った食べカスなどの汚れである歯垢が直接の原因と言われています。
歯と歯ぐきのすき間に歯垢が溜まるとやがて歯石になり歯周病菌が増殖します。
すると毒素が放出され、ますます歯ぐきにダメージがかかるので炎症が起きやすくなり腫れてしまうのです。
◇歯周病の治し方
歯周病の原因は、歯に付着した細菌の塊である『歯垢』であり歯垢を取り除かなければ歯周病の進行を食い止めることは出来ません。
そこで、治療では大元の原因である歯垢や歯石を取り除く『歯周基本治療』に主眼をおきます。
これは、患者さん自身がおこなう『セルフ・ケア(ブラッシング)』と歯科医院でおこなう専門的な『プロフェッショナル・ケア』がセットになっています。
また、重度の場合は歯科医院での歯石とりや歯磨きだけでは治らないことがあります。
歯根表面の細菌や歯石は、手用の器具で除去できるのですが歯周ポケットが深くなると器具がどうしても届かないのと細かい部分まで完璧に取り除くことが難しくなります。
ですが、現在の医療では歯周基本治療により症状の改善が全く見られなかった場合でも、適切な歯周病の外科処置をすることにより歯を抜かずに済むケースもあります。
大きく分けて2つの歯周外科治療があります。
(1) フラップ手術
(2) 歯周組織再生療法
ここで説明してしまうと長くなってしまいますので割愛させていただきます。気になった方は
調べてみてください。
■歯磨きで血が出るときの対処法
◇歯を磨く力を弱める
歯磨きの際に力を加え過ぎることによって歯茎を傷つけてしまう「擦過傷(さっかしょう)」も歯茎から出血する原因になります。
◇生活習慣を見直す
生活習慣を見直しストレスを軽減することでも歯茎の出血トラブルを避けることができます。
例えば、「タバコをやめる」「ストレスが溜まらないようにリフレッシュする」「規則正しい生活を送る」「睡眠をとる」などを心がけ免疫力をキープすることが大切です。
◇歯医者を受診する
出血を伴う歯磨きは正しく磨けていないといえるため、歯垢をきちんと除去できていない可能性が考えられます。
そのため、自己流で歯を磨き続けるのではなく歯科医院で定期的な口腔内のケアを受けることが大切です。
歯科衛生士から自分の歯並びに合った適切な磨き方を教わることで、磨き残しのリスクを下げることができます。
当院では、ひとり一人にあったブラッシング指導を行なっています。検診でお口の中のチェックにぜひいらっしゃってください。