小児歯科学会に参加してきました!
2025年7月1日
皆さんこんにちは!
歯科衛生士の宮内です。
最近ムシムシと暑い日が続き、夏を感じる季節になってきましたね。
皆さん、季節の変わり目の体調不良には充分気を付けてください。
先日、小児歯科学会に参加してきました。
さまざまな先生方の講演や発表があり、どれも学びの多いものでしたが、中でも特に印象に残ったのが「赤ちゃん歯科」に関する講義でした。
今回は、その中で得た知見を少しご紹介したいと思います。
<母乳育児の意義は「栄養」だけではない>
WHO(世界保健機関)は、生後6ヶ月までは母乳育児を推奨しています。
これは栄養面の利点だけでなく、実は赤ちゃんの頭や顎の発育にも大きく関係しているのです。
母乳を飲むとき、赤ちゃんは上顎と下顎をしっかり動かして吸う「吸啜(きゅうてつ)運動」をします。
この運動は非常に多くの筋肉を使い、顎や口のまわりの発達を助けるとされています。
また、赤ちゃんはお母さんの顔を見ながら量を調整し、バランスをとる力も育んでいるとのこと。
まさに「食べること」の第一歩が、すでに始まっているんですね。
<「吸う」ことが「噛む」ことにつながる>
哺乳は、咀嚼(そしゃく)の基礎とも言われています。
赤ちゃんは吸啜を通して、後の「噛む」「飲み込む」といった動きを自然に練習しています。
また、長期にわたる母乳育児は、不正咬合(歯並びの異常)や上顎前突(出っ歯)、臼歯交叉咬合(奥歯のずれ)の発生リスクを低下させることが研究からわかってきています。
「歯が生える前から歯科の仕事は始まっている」——そんな気づきを与えてくれる内容でした。
<低体重児でも成長に期待がもてる>
もうひとつ印象的だったのが、低体重で生まれたお子さんでも、適切な哺乳や咀嚼を通じて、7〜8歳頃には他の子どもと同じように食べられるようになる、という報告です。
発達には個人差がありますが、丁寧な関わりと観察が将来の「食べる力」や「口の機能」を支えてくれるということを改めて実感しました。
「赤ちゃん歯科」という考え方をもっと広めたい!!
今回の学会を通じて、「赤ちゃん歯科」の重要性を改めて実感しました。
妊娠中の方や乳児を育てているご家庭にこそ、こうした情報がもっと届いてほしいと思います。
赤ちゃんの「口の育ち」は、将来の歯並びや食べる力、さらには言葉の発達にもつながっていきます。
私たち歯科医療者も、単にむし歯の治療だけでなく、こうした“育ち”の視点から子どもたちをサポートしていきたいと強く感じました。
今後も、子どもたちの健やかな成長を支えるために学び続けていきたいと思います。