CEセミナーアドバンスコースを受講しました!
2025年4月30日
皆さんこんにちは、歯科医師の坂牛です。
もうすぐゴールデンウィーク、待ち遠しいですね!旅行やお出かけの予定がある方も多いのではないでしょうか。
先日、当法人では新人歓迎会を行いました。今年は昨年に続き、屋形船で隅田川クルーズディナーです!両国からお台場を往復する2時間半、贅沢な美食と夜景を楽しみながら親睦を深めました。
(佐藤先生、いつもありがとうございます!)
今年の新人は総勢10名です!歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士、放射線技師と、様々な職種の方が入社しました。このメンバーで更に充実した医療を皆様へご提供できますよう頑張っていきます。今後とも当法人をよろしくお願いいたします😊
話は変わりますが、先週末に愛知県名古屋市でCEセミナーに参加して来ました!
CEセミナーとは、歯の移植や外傷の治療で世界的な権威である月星光博先生が歯科医師卒後教育の目的で主催されているコースです。月星先生のご著書は世界各国の言語に訳され、46カ国で百数十回ものセミナーを行っておられるそうです。
昨年私はCEセミナーのベーシックコースに参加したのですが、月星先生の知識•技術だけでなく歯科医師としてのお心構えにとても感銘を受けました。そして今年はCEセミナーのアドバンスコースに挑戦しています。今回は津田先生と一緒に参加しました!
アドバンスコースでは、歯周外科•自家歯牙移植•MTM(歯の部分矯正)について6日間で学びます。今回はその3・4日目で、自家歯牙移植がテーマでした。
(セミナー会場の月星歯科にて)
歯の移植について簡単に説明します。自家歯牙移植とは、一つの口腔内で歯をある場所から他の場所へ移し替える処置のことです。虫歯や外傷が原因で大事な歯を残すことが難しくなってしまった時に、お口の中で機能していない歯(親知らず•矯正治療で抜歯予定の歯など)が残っている場合があります。
このような時に、残せない歯を抜歯し、その場所に自分の歯を移植する処置を自家歯牙移植といいます。
自家歯牙移植にはできる条件があります。
①患者の全身的問題が少なく外科処置が可能。糖尿病など代謝性疾患、免疫機能疾患がなく喫煙していない人が理想。
②機能に参加していない(本来はなくても構わない)歯がある。根の形態に凹凸が少なく、やや先細りの単根歯が理想。また、根未完成歯の方が根完成歯より予知性が高い。
③移植歯を植える受容側の骨に十分な高さと深さを確保できる。
また、成功率を左右する因子として以下の点があげられます。
•移植歯に生きた歯根膜が付着しており、移植後も歯根膜が生存し続けること
•移植歯の歯根形態、歯根完成度、歯髄の有無
•移植歯と移植床の適合度
•歯肉の適合
•患者の年齢(若いほど成功率が高い)
•全身疾患
•定期的なメンテナンス
再植や移植は必ずしも全て上手くいくというわけでなく、術後にトラブルを起こすこともあります。
移植したけれど、再植や移植をした数ヶ月後に歯根膜の損傷した部分から炎症で歯根吸収を起こすことがあります。また、数年後に骨と癒着してしまうことなどもあり、それらのリスクを理解した上で選択する必要があります。
今回のセミナーでは、自家歯牙移植の適応や月星先生の長期症例紹介の講義と模型を使った実習を行いました。
こちらは実際のCT画像を元に3Dプリンターで作成した移植歯の実寸大レプリカです。
実際のオペでも、このレプリカを移植床に試適しながら骨の削除量を確認します。以前は移植歯をそのまま試適していましたが、抜いた歯の周りに付着する歯根膜を傷つけてしまうことが難点でした。今はレプリカを使用することで、本物の移植歯を傷付けるリスクを最小限にできます。
模型の骨を削ったところ
顎の骨に歯を移植したイメージ
模型上で歯肉の縫合をしました!
自家歯牙移植にご興味がありましたらぜひご相談ください。次回のCEセミナーでは5月にMTM(部分矯正)を学ぶ予定です。今から楽しみです!