なぜだらだら食べはダメなの?
2025年7月14日
ブログを読みに来ていただきありがとうございます。歯科医師の鈴木です。
今回は「なぜだらだら食べはダメなのか?」
についてお話しさせていただきます。
その前に歯の健康を維持するために「脱灰(だっかい)」と「再石灰化(さいせっかいか)」という二つの重要なプロセスを理解する必要があります。
脱灰とは、歯の表面のエナメル質から、カルシウムやリン酸といったミネラル成分が溶け出す現象のことです。
⭐︎原因⭐︎
- 酸の生成: 食事をすると、口の中にいる虫歯菌(ミュータンス菌など)が食べ物に含まれる糖分を分解し、酸を作り出します。この酸によって口の中が酸性になり、歯のエナメル質が溶け始めます。
- 酸性の飲食物: 炭酸飲料、スポーツドリンク、柑橘類、酢を使ったものなど、もともと酸性の強い飲食物を摂ることでも脱灰が促進されます。
再石灰化とは、脱灰によって溶け出した歯のミネラル成分を、唾液が再び歯に取り込み、修復する自然なプロセスです。

⭐︎メカニズム⭐︎
- 唾液の働き: 唾液には、カルシウムやリン酸といったミネラル成分が豊富に含まれています。食後、口の中が中性に戻ると、唾液中のこれらのミネラルが歯の表面に再び沈着し、溶け出したエナメル質を修復します。
- 酸の中和: 唾液には酸を中和する働き(緩衝作用)もあり、歯が酸にさらされる時間を短くする効果もあります。
- 重要性: 再石灰化は、歯を虫歯から守るための自己修復機能であり、この働きによって、初期の虫歯であれば削らずに治ることもあります。
脱灰と再石灰化のバランス

私たちの口の中では、食事をするたびに脱灰が起こり、その後、唾液の働きによって再石灰化が起こる、というサイクルが繰り返されています。
- 健康な状態: 脱灰と再石灰化のバランスが保たれている状態です。食後の酸性状態から、唾液によって速やかに中性に戻り、溶け出したミネラルが十分に補給されることで、歯は健康を維持できます。
- 一般的に、食後約30~40分程度で口の中は中性に戻り、再石灰化が始まると言われています。
- 虫歯の進行: このバランスが崩れ、脱灰が再石灰化を上回る状態が続くと、歯のミネラルが失われ続け、最終的に歯に穴が開き、虫歯へと進行します。
よって「ダラダラ食べる」習慣は、口の中が常に酸性の状態になりやすく、再石灰化が追いつかなくなるため、虫歯のリスクを高めます。
再石灰化を促進する方法
再石灰化を促進し、虫歯を予防するためには、以下の点に注意することが大切です。
- 規則正しい食生活
- 間食を控える: 食べる回数を減らし、口の中が酸性になる時間を短くすることが重要です。間食をする場合は、時間を決めて1日に1~2回程度に留めましょう。
- ダラダラ食べない: 食事や間食は時間を決めて摂り、長時間にわたって食べ続けることは避けましょう。
- よく噛む: よく噛むことで唾液の分泌が促進され、再石灰化に必要なミネラルが供給されます。
- 糖分を控える: 虫歯菌のエサとなる糖分を多く含む食品や飲料の摂取を控えましょう。特にアメやキャラメルのように長時間口の中に残るものは注意が必要です。
- 再石灰化を助ける食品を摂る: カルシウムやリンを多く含む牛乳、チーズ、ナッツ類は歯を強くします。ビタミンA(緑黄色野菜など)はエナメル質を健康に保つのに必要です。チーズは口の中をアルカリ性に傾ける効果もあります。
- 適切な口腔ケア
- フッ素の利用: フッ素は再石灰化を助け、歯質を強化する効果があります。フッ素配合の歯磨き粉や洗口液の使用、歯科医院でのフッ素塗布は非常に効果的です。フッ素が歯に取り込まれると、より酸に強いフルオロアパタイトという構造が作られます。
- キシリトール: キシリトールは再石灰化を促進し、プラークの付着を防ぐ効果があります。キシリトール入りのガムなどを利用するのも良いでしょう。
- 丁寧な歯磨き: 毎日の丁寧な歯磨きでプラークを取り除くことが、虫歯菌の活動を抑え、脱灰を防ぐ基本です。
- 唾液の分泌促進:
- 唾液腺マッサージ: 唾液腺をマッサージすることで唾液の分泌を促せます。
- 水分補給: 水分をしっかり摂ることで、唾液の分泌を助けます。
- よく噛む食事: 食物繊維の多い野菜などをよく噛んで食べることも唾液の分泌につながります。
- 定期的な歯科検診:
- 歯科医院で定期的に検診を受け、初期の脱灰を発見してもらうことや、フッ素塗布などの専門的なケアを受けることが大切です。
このように、歯の脱灰と再石灰化は常に口の中で行われている現象であり、虫歯予防のためには、再石灰化を促進し、脱灰を抑える生活習慣を心がけることが重要です。
全身の健康と歯周病の関係について
2025年7月7日
みなさんこんにちは!
歯科技工士の今井です。
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ムシムシと暑い日が続いていますね。
こまめな水分補給をして、体調には十分にお気を付けください!
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今回は、【全身の健康と歯周病の関係】についてお話ししていきます。
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歯周病は「お口の病気」と思われがちですが、実は全身の健康とも深く関係している事を知っていますか??
歯ぐきの炎症が全身へ影響を及ぼすことが、近年の研究で次々と明らかになっています。
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そもそも、歯周病とはどんな病気か知っていますか?
歯周病とは、歯と歯ぐきの境目にたまったプラーク(細菌のかたまり)によって歯ぐきが炎症を起こす病気です。
進行すると歯を支える骨が溶け、最悪の場合歯が抜けてしまうこともあります。
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◆ 全身の病気との関係
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1. 糖尿病
歯周病と糖尿病は相互に悪影響を与える「二人三脚の関係」です。
糖尿病があると免疫力が低下し、歯周病が悪化しやすくなります。
逆に、歯周病を治療することで血糖値のコントロールが改善することも確認されています。
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2. 心臓病(動脈硬化・心筋梗塞など)
歯周病菌が血管に入り込み、動脈硬化を引き起こす原因になることがあります。
これが心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めるとされています。
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3. 誤嚥性肺炎
高齢者に多い肺炎のひとつで、歯周病菌が唾液と一緒に気管に入り込むことで肺炎を引き起こします。
口腔内を清潔に保つことが重要です。
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4. 妊娠への影響
妊婦さんが歯周病を患っていると、早産や低体重児出産のリスクが高くなるといわれています。
妊娠前後の口腔ケアはとても大切です。
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健康の入り口はお口から!
歯ぐきの状態は、全身の健康状態を映す「バロメーター」です。
毎日の歯みがきや定期的な歯科検診は、お口だけでなく体全体を守る大切な習慣です。
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◆ 歯周病を予防するには?
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① 正しい歯みがき(セルフケア)が基本!
歯周病の原因は歯垢(プラーク)=細菌のかたまり。
これを毎日しっかり取り除くことが第一です。
・歯と歯ぐきの境目を意識してみがく
・やわらかめの歯ブラシでやさしく丁寧に
・1日2~3回、1回あたり最低2~3分みがく
・フロスや歯間ブラシも併用すると効果的!
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✓自分に合ったみがき方や道具は、歯科医院でチェックしてもらいましょう!
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② 歯科医院での専門的ケア(プロケア)
歯周病が進行している場合、歯科医院での治療が必要です。
【初期~中等度の場合】
歯垢が石のように硬くなった「歯石」を専用の器具で取ります。
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【重度の場合】
歯ぐきの中にある歯石を取るための歯周外科手術が必要になることも。
状態によっては、抜歯や再生療法などが検討されるケースもあります。
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③ 定期メンテナンスが大事!
歯周病は「再発しやすい病気」です。
治療が終わっても油断せずに、
・3ヶ月ごとの定期検診
・専門的なクリーニング
・生活習慣の見直し(喫煙・食生活など)
の3つを継続しましょう!
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健康的なお口の維持が、全身の健康を保つことにも繋がります!
歯周病は、今はなにも症状がなくても自分が気づかないうちに進行していることが多い病気です。
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健康で長生きするために、一度お口の検査をするところから始めてみましょう。
当院はお子様からご高齢の方まで、幅広い年代の方の診療をおこなっています。
ご家族でのご来院も大歓迎です!みなさまのご来院をお待ちしております!
再根管治療のセミナーを受講してきました。
2025年7月1日
こんにちは。歯科医師の大石です。
今回は寺内吉継先生という根管治療の権威のうちの一人の再根管治療についてのセミナーを受講してきました。
根管治療というものは歯科治療のうち難しい処置の一つです。さらに一度根管治療を受けた歯の治療は様々な理由から治療の難易度が上がります。
根管治療が上手くいかない場合抜歯という診断になってしまうことがあります。インプラント治療も非常に良い治療ではありますが、やはり自分の歯を残したい。自分の歯で噛みたいという希望がある方も多く存在します。そういう方にお勧めしているのが自費の根管治療です。
この投稿では根管治療したのになかなか治らない場合の原因や対策などについて今回のセミナー内容に沿ってお話ししていこうと思います。
以前根管治療を行ったのに痛みや腫れが続く場合の原因の一位は詰め物や被せ物の隙間から細菌が侵入するコロナルリーケージです。
その他の原因として根管内外にバイオフィルムが残っていたり、器具が折れていたりヒビが入っていたりすることもあります。

このような問題を解消するための当院での対策を紹介します。
精密な診断:高解像度のCTを用いることで複雑な根管の形態を把握し感染の原因や治療手順を計画します。
精密なアクセス:専用の器具を用い土台の材料を健康な歯を傷つけないように除去します。
徹底した感染源の除去:以前の根管治療で充填された薬剤も感染源となりうるのでこちらも専用の器具を用いて除去します。この際に根管の途中にできた段差なども滑沢にしていきます。また、根管内外に残ったバイオフィルムもさまざまな薬剤を適切に用いて除去します。
最新の設備や材料:最高級のレンズを搭載したマイクロスコープを使用すると極細の根管内の様子も確認できるため確実な処置が行えます。MTA系セメントを使うことで高い封鎖性を確保し場合によっては歯根を伸ばしたり開いてしまった穴を封鎖することもできます。
根管治療は歯を残す上で欠かせない処置です。より長く自分の歯で生活したいとお考えの方はぜひお気軽に相談してください。


小児歯科学会に参加してきました!
2025年7月1日
皆さんこんにちは!
歯科衛生士の宮内です。
最近ムシムシと暑い日が続き、夏を感じる季節になってきましたね。
皆さん、季節の変わり目の体調不良には充分気を付けてください。
先日、小児歯科学会に参加してきました。
さまざまな先生方の講演や発表があり、どれも学びの多いものでしたが、中でも特に印象に残ったのが「赤ちゃん歯科」に関する講義でした。
今回は、その中で得た知見を少しご紹介したいと思います。
<母乳育児の意義は「栄養」だけではない>
WHO(世界保健機関)は、生後6ヶ月までは母乳育児を推奨しています。
これは栄養面の利点だけでなく、実は赤ちゃんの頭や顎の発育にも大きく関係しているのです。
母乳を飲むとき、赤ちゃんは上顎と下顎をしっかり動かして吸う「吸啜(きゅうてつ)運動」をします。
この運動は非常に多くの筋肉を使い、顎や口のまわりの発達を助けるとされています。
また、赤ちゃんはお母さんの顔を見ながら量を調整し、バランスをとる力も育んでいるとのこと。
まさに「食べること」の第一歩が、すでに始まっているんですね。

<「吸う」ことが「噛む」ことにつながる>
哺乳は、咀嚼(そしゃく)の基礎とも言われています。
赤ちゃんは吸啜を通して、後の「噛む」「飲み込む」といった動きを自然に練習しています。
また、長期にわたる母乳育児は、不正咬合(歯並びの異常)や上顎前突(出っ歯)、臼歯交叉咬合(奥歯のずれ)の発生リスクを低下させることが研究からわかってきています。
「歯が生える前から歯科の仕事は始まっている」——そんな気づきを与えてくれる内容でした。
<低体重児でも成長に期待がもてる>
もうひとつ印象的だったのが、低体重で生まれたお子さんでも、適切な哺乳や咀嚼を通じて、7〜8歳頃には他の子どもと同じように食べられるようになる、という報告です。
発達には個人差がありますが、丁寧な関わりと観察が将来の「食べる力」や「口の機能」を支えてくれるということを改めて実感しました。
「赤ちゃん歯科」という考え方をもっと広めたい!!
今回の学会を通じて、「赤ちゃん歯科」の重要性を改めて実感しました。
妊娠中の方や乳児を育てているご家庭にこそ、こうした情報がもっと届いてほしいと思います。
赤ちゃんの「口の育ち」は、将来の歯並びや食べる力、さらには言葉の発達にもつながっていきます。
私たち歯科医療者も、単にむし歯の治療だけでなく、こうした“育ち”の視点から子どもたちをサポートしていきたいと強く感じました。
今後も、子どもたちの健やかな成長を支えるために学び続けていきたいと思います。

咬合性外傷とは
2025年6月23日
こんにちは。
歯科助手・トリートメントコーディネーターの川上です。
先々週梅雨入りの発表がありましたが、夏のような暑い日が続いてますね。この暑さに体が慣れず体調など崩されていませんか?熱中症も怖いですね。しっかり水分をとって無理せずお過ごし下さい。
さて、今回のブログテーマは、「咬合性外傷について」です。あまり聞き慣れない言葉ですよね?
「虫歯ではないけど歯が痛い…」
「歯がグラグラする…」
「よく詰め物が取れる…」
もしかしたらその症状、咬合性外傷の可能性があります。
◉咬合性外傷とは?
噛み合わせ(咬合)の負担によって歯や歯周組織にダメージが生じることを言います。
歯は日常的に上下で接触し、咀嚼や会話に関わっていますが、噛み合わせが不適切であったり、過剰な力が特定の歯や歯列に集中することによって引き起こされます。
◉咬合性外傷の主な原因
・歯ぎしりや食いしばり
・歯並びや噛み合わせのズレ
・被せ物や詰め物の高さが合っていない
・歯周病で歯を支える骨が弱っている

◉咬合性外傷の主な症状
歯や歯周組織に現れる症状
・歯の動揺
・歯の痛み(特に咬んだ時)
・歯がしみる
・歯が浮いたような感覚
・歯の咬耗
・極端な場合は歯の破折や脱臼
歯周組織の症状
・歯肉の腫れや出血
・歯周ポケットの増加
・歯槽骨の吸収(レントゲンで確認)
◉咬合性外傷の種類
咬合性外傷にも種類があります。
・一次性咬合性外傷
一次性咬合性外傷は、歯ぎしりやくいしばりによって強い力が加わって起こる歯周組織の外傷です。
・二次性咬合性外傷
二次性咬合性外傷は、すでに歯周病などで歯を支える組織(歯周組織)が弱っている状態で、通常の噛む力(咬合力)でもダメージを受けてしまう状態を指します。
二次性咬合性外傷では、咬合の調整だけでなく、歯周病のコントロールが不可欠です。
◉治療法・対処法
咬合性外傷の治療には、原因を取り除くことが第一です。
・歯ぎしり、くいしばりが原因:ナイトガード(マウスピース)の装着、ボツリヌストキシン療法
・噛み合わせの問題:噛み合わせの調整や矯正治療
・被せ物の調整:高さの再調整や再作製
・歯周病がある場合:歯周治療の併用が必要
咬合性外傷は、早めの発見と対処で予防・改善が可能です。「なんとなく違和感がある」や「噛んだ時に歯が痛い感じがする」など気になる症状がある方は、早めに当院にご相談下さい。
歯周病と喫煙
2025年6月14日
こんにちは。歯科医師の大石です。
タバコと歯周病の関係、実は思っている以上に深いんです。喫煙は、歯周病をただ悪化させるだけでなく、発症リスクを高め、治療の邪魔までする、まさに「三重苦」をもたらします。
喫煙が歯周病に与える影響
喫煙は、歯周病の発症リスクを飛躍的に高めます。非喫煙者に比べ、喫煙者は歯周病にかかるリスクが2倍から9倍も高まると言われています。特に、1日10本以上の喫煙を10年以上続けている方は、そのリスクがさらに高まる傾向にあります。
なぜ喫煙がそんなにも歯周病に悪いのでしょうか?主な理由は以下の通りです。
* 血行不良を引き起こす: タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、一酸化炭素は血液の酸素運搬能力を低下させます。これにより、歯ぐきへの血流が悪くなり、酸素や栄養が行き渡りにくくなります。歯周組織は酸欠状態になり、抵抗力や修復力が落ちてしまうんです。
* 免疫力を低下させる: 喫煙は、体を守る免疫細胞の働きを弱めます。歯周病菌と戦う白血球の機能が低下するため、感染に対する抵抗力が落ち、炎症を抑える力も弱まります。
* 口の中の環境を悪化させる: タバコのヤニは歯にこびりつき、歯周病菌がつきやすい環境を作ります。また、唾液の分泌量も減るため、口の中の自浄作用が低下し、細菌が繁殖しやすい状態になってしまうんです。
* 自覚症状が出にくい: 喫煙による血行不良は、歯ぐきの炎症や出血といった初期症状を隠してしまうことがあります。そのため、歯周病がかなり進行するまで気づかず、治療の開始が遅れてしまうケースも少なくありません。
歯周病が進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまい、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。喫煙者は非喫煙者に比べて、この歯の喪失リスクも著しく高いことがわかっています。
治療への影響とインプラント
喫煙は、歯周病の治療効果も大きく損ねます。血管が収縮しているため、治療で除去された歯周病菌から回復するための治癒反応が鈍くなり、せっかくの治療効果が得られにくくなるんです。手術後の傷の治りも遅く、再発のリスクも高まります。
特にインプラント治療を検討している方は要注意です。喫煙者はインプラントが骨に結合しにくいだけでなく、インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)になるリスクも高く、インプラントの脱落率が非喫煙者よりも有意に高まることが報告されています。
禁煙がもたらすメリット
しかし、希望もあります。禁煙は、これらの悪影響を大きく改善します。禁煙を始めると、数週間で歯ぐきの血流や免疫機能が正常に戻り始め、健康な状態に近づいていきます。歯周病にかかるリスクは徐々に低下し、5年から10年後には非喫煙者と同じくらいまで改善すると言われています。
治療と並行して禁煙すれば、歯周組織の状態は劇的に改善し、治療効果も格段に高まります。禁煙は、歯周病の予防、進行の抑制、そして治療の成功に不可欠な要素なのです。
まとめ
喫煙は、歯周病の発症から進行、治療の成否、そして歯の寿命にまで深刻な悪影響を及ぼします。口腔内の健康を守るためにも、禁煙は非常に重要です。もし喫煙されているのであれば、ぜひ禁煙を検討してみてください。
当院では歯周病治療を行っております。ご相談お待ちしております。
TCとカウンセリングについて
2025年6月6日
こんにちは!歯科技工士の今井です🦷
先日、トリートメントコーディネーター(TC)のセミナーを受けてきました!
歯科医院で「トリートメントコーディネーター(TC)」という言葉を聞いたことはありますか?
TCとは、患者さんと歯科医師・スタッフとの“橋渡し”をする役割を担った専門スタッフのことです。
「治療の説明を聞いたけど、ちょっと難しかったな…」
「先生には聞きづらいことがある…」
そんな時に、患者さんの気持ちに寄り添いながらわかりやすくご案内したり、
不安や疑問を一緒に解消するのが私たちTCの役割です。
歯医者さんに行くと、「まずはカウンセリングから始めますね」と言われることがありますよね。
でも、「何を話せばいいの?」「難しい説明だったらどうしよう…」と不安に感じる方もいらっしゃると思います。
私たちが大切にしているのは、患者さんご自身が納得したうえで安心して治療を受けていただくこと。
そのために、カウンセリングの時間をしっかりと設けています。

まず、現在のお口の状態や気になる症状、過去の治療経験などをお伺いします。
そのうえで、検査結果やレントゲン画像などを一緒に確認しながら、どんな治療が必要なのか、
どういった選択肢があるのかを、患者さんお一人おひとりとしっかり向き合いながら、
丁寧にカウンセリングをおこなっています。
特に自費診療では、素材や治療方法のバリエーションが多いため、費用や通院期間も大きく異なります。
それぞれのメリット・デメリットをご説明し、ご希望やライフスタイルに合った治療法を提案しています。
「こんなこと聞いていいのかな?」と思うようなことも、TCに遠慮なくご相談ください!
当院には4名のTCが在籍しており、初診カウンセリングから治療計画のご説明、自費診療のご相談まで、
常に連携を取りながらカウンセリングをしています。
患者さんが「ちゃんと理解できた」「納得して治療を受けられた」と思えるように、
親身に寄り添う存在でありたいと思っています。
どんな小さなことでも、ぜひ気軽にご相談くださいね😊
お口のことって相談するのに勇気がいりますよね。
恥ずかしくて身近な人には言えないことも、当院のTCが全て受け止めます!
まずは当院に一度ご相談ください。
みなさまのご来院を心よりお待ちしております!
部分矯正のセミナーを受講してきました!
2025年5月27日
こんにちは!歯科医師の津田です🙌
先週の日曜日もセミナーでしたが今週もセミナーでした🫨
今回は愛知県で行われているCEセミナーという3ヶ月6日間コースのセミナーです!今回は5.6日目でラストでした。
今回の内容はMTMという限局的な矯正治療です。
まずは講義を聞いた後、お昼ごはんは講師の月星先生が絶賛のひつまぶしでした🤎

お昼から贅沢でした〜
お腹いっぱいになった後は実習でした。
内容を少し紹介します!
・根っこだけになった歯をひっぱり上げる処置
歯根の管の中にフックを入れ、また隣の歯にワイヤーで固定してゴムをフックとワイヤーでくくり引っ張ります。
ひっぱり上げて歯肉の上に歯がくることで、被せ物をして歯を残すことができます。

・傾斜した歯を起こす処置
手前に倒れた歯を奥に押してあげます。
間にバネを通して奥の歯を押します。
傾斜を治してあげることで上の歯と噛むことができますし、手前のなくなってしまった部分にインプラントなどをいれることができます。

・歯と歯の間の隙間を改善
一部分のすきっぱをワイヤーを通してゴムとワイヤーの力で空隙を閉じていきます。

このような実習をしました。苦戦したところもありますがうまくできました✌️
ご指導いただいた月星歯科の先生方ありがとうございました。また一緒に受けた先生方ともごはんに行って仲良くなれてCEセミナーに行ってよかったです!

読んでいただきありがとうございました。
このような矯正治療も当院では行っているのでお悩みの方はぜひご相談ください!
唾液の働きについて
2025年5月26日
こんにちは。歯科医師の津田です😌
最近セミナーや勉強会で忙しいですが充実した毎日を送らせていただいてます!最近、Drや衛生士などのセミナーの感想がブログで綴られているのでぜひご覧ください!
今回のテーマは唾液についてです。
唾液は口腔内で重要な役割を担っています。
唾液の機能と役割について説明します。
①中和作用
食事や飲み物によって口の中が酸性になると、唾液がその酸を中和し、pHを正常に戻します。
②ミネラル供給
唾液中のカルシウムやリンが、脱灰されたエナメル質に再び取り込まれ、再石灰化を助けます。
③抗菌作用
唾液には抗菌成分が含まれており、口腔内の細菌の増殖を抑えることで、虫歯のリスクを減らします。

④消化を助ける補助
唾液にはアミラーゼという酵素が含まれており、これはデンプンを糖に分解する役割を持っています。食べ物を噛むことで唾液が混ざり、消化の第一段階が始まります。このプロセスは、食べ物が胃に入る前に栄養素の吸収を助けます。
⑤潤滑
食べ物を飲み込みやすくするために、唾液は口腔内を潤滑に保ちます。これにより、食べ物が喉を通る際にスムーズに移動し、嚥下が容易になります。

⑥味覚
唾液は食べ物に含まれる味成分を溶かし、味覚受容体に届きやすくします。
食べ物の味を感じるためには唾液が欠かせません。
唾液の分泌が減少すると味覚が鈍くなることがあります。
これらの機能により、唾液は消化過程や口腔内の健康を支える重要な役割を果たしています。
また唾液分泌が少なくなると、いくつかの健康上の問題が生じます。
①口腔乾燥症(ドライマウス)
唾液の分泌が減少すると、口腔内が乾燥し、食べ物を飲み込む際に不快感を感じることがあります。これに伴い、食事が困難になることもあります。

②虫歯や歯周病のリスク増加
唾液は口腔内細菌の増殖を抑える役割を果たしています。唾液が不足すると細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
③味覚の低下
唾液が不足すると、食べ物の味を感じにくくなることがあります。味成分が唾液に溶けにくくなるためです。
④消化不良
唾液には消化酵素が含まれており、食べ物の消化を助けます。唾液分泌が減少すると、消化がスムーズに行えず、腹部の不快感や消化不良を引き起こすことがあります。
⑤口腔内の感染リスク増加
唾液は抗菌作用を持つ成分を含んでいますので、分泌が減少すると、口腔内の感染(口内炎やカンジダ感染など)が起こりやすくなります。
⑥口臭の悪化
唾液が不足すると口腔内の清掃が不十分になり、口臭が悪化することがあります。
こんなに問題点が出てきます。唾液の重要性がわかりますね😣
唾液分泌が少なくなる原因には、ストレス、脱水、加齢、特定の薬物の副作用や病気などが考えられます。唾液分泌が気になる場合は、医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。
当院でもご相談受けておりますのでいつでもお気軽にお声掛けください。
院内実習を行いました。
2025年5月25日
こんにちは!歯科医師の水野です。
歯肉の健康は歯やインプラントの安定や健康に欠かせません。
歯肉の健康を回復し、維持するための治療の中に歯肉移植があります。
先日豚顎を使用し、歯肉移植の実習を行いました。


歯肉移植は、上顎の歯肉を歯やインプラントの周りに移植する方法で、
・歯周病や加齢などによって歯肉が下がってしまった場合
・歯やインプラントの周りに角化歯肉と呼ばれる動かない丈夫な歯肉がない場合
・歯肉に厚みやボリュームを持たせる場合
に行います。
歯肉を移植することで見た目も改善されますし、歯ブラシもしやすくなり、歯やインプラント周囲の炎症が起こりづらい環境を作ることができます。
それが将来的に歯やインプラントの長持ちに関与してきます。
・歯肉が下がって歯が長くなっている
・歯肉が凹んでいる
・歯ブラシをすると歯肉に当たって痛くて磨けない
などのお悩みは歯肉移植で改善できる可能性があります。お気軽にご相談ください。