知覚過敏について
2024年6月10日
みなさんこんにちは✨
歯科助手の若生です。
最近日焼けをしそうなくらい日差しが強くなり、夏らしい日が増えましたが、みなさん体調はいかがでしょうか?
夏になるとアイスを食べたくなりますよね。
みなさんはアイスを食べて歯がしみたことはありませんか?
それは知覚過敏かもしれません!
名前は聞いたことがあるけど、あまりよく知らないという方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな知覚過敏についてお話ししたいと思います。
1.知覚過敏とは
知覚過敏とは、特に虫歯などの病変がない状態で歯ブラシの毛先が触れたり、冷たい物、甘い物、風にあたった時などに歯に感じる一過性の痛みのことです。
歯はエナメル質・象牙質・歯髄(神経)の3層構造をしています。
エナメル質はしみませんが、象牙質は歯髄(神経)と繋がっているため、象牙質に刺激が加わると知覚過敏の症状が出ます。
また、初期の虫歯は見た目ではわかりにくいので、その症状が知覚過敏なのか虫歯なのか判断することは難しいです。
虫歯は、進行すると痛みの持続時間が長くなってくるのが特徴です。さらに、噛んだ時に痛んだり、温かい物がしみるようであれば虫歯がかなり進行した状態だと言えます。
2.知覚過敏になる原因
象牙質には歯髄(神経)につながる無数の穴があいているため、その穴を通して、受けた刺激が神経に伝わり痛みを感じてしまいます。この痛みは一過性なので、刺激がなくなると痛みもなくなります。
◯象牙質が露出する
・歯肉の退縮
歯肉の位置は加齢とともに少しずつ下がり、象牙質が露出します。
・間違った歯磨き
力強く歯磨きをしすぎると、歯茎が下がってしまい、象牙質が露出します。
・酸蝕症
酸っぱいものを食べすぎると歯が溶けて、象牙質が露出します。
・歯が欠けた、破折
何かにぶつけたり、歯ぎしり・食いしばりで歯に過剰な力が加わると歯が欠けて象牙質が露出します。また、目には見えないヒビが入り、象牙質に刺激が加わることがあります。亀裂の状態にもよりますが、歯の神経の部分にまで細菌が侵入して炎症を起こすこともあります。
さらに、歯ぎしりによって『NCCL(ノンカリエスサービカルリージョン、非う蝕性歯頸部歯質欠損)』になり歯と歯茎の間の歯頚部と呼ばれる部分の一部が失われることでも象牙質が露出します。
そして、歯髄の中には神経だけでなく、血管もあります。持続的に歯に力が加わり続けると、歯髄内部の血流が減少します。そうすると、歯髄内に痛みを感じる物質が溜まってしまい、歯が痛みを感じやすい状態になってしまいます。
◯ホワイトニングや虫歯治療によるもの
治療後、一時的に軽度の知覚過敏が起きることがあります。
3.知覚過敏の対処法
軽度の知覚過敏であれば、放置しても問題ありません。
しかし、知覚過敏により、歯ブラシを十分に当てられない状態が続くと、磨き残しがたまり、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。最悪の場合、神経が死んでしまうことがあります。
〈お家でできる対処法〉
◯適切な歯磨きを行う
歯ブラシは毛先を歯にきちんと当て軽い力で小刻みに動かして使いましょう。
また、歯がしみる時には、冷たい水ですすがず、ぬるま湯などを使いましょう。
◯知覚過敏用の歯磨き粉を使う
知覚過敏用の歯磨き粉に含まれる成分が、象牙質の穴を塞いでくれます。ただし、効果は持続しませんので、継続して歯磨き粉を使用する必要があります。また、高濃度フッ素配合の歯磨き粉は歯を強化するため、知覚過敏にも効果的に作用します。
当院では知覚過敏が気になる方へ
「メルサージュヒスケア」
という歯磨き粉をおすすめしています✨
☆硝酸カリウムで神経への痛みの伝達を防ぐ
☆乳酸アルミニウムで象牙細管をふさいで刺激自体を防ぐ
☆フッ素が最高濃度の1450ppm含まれている
◯ストレスを溜めない
ストレスが溜まると歯ぎしり・食いしばりが強くなると言われているので、ストレスを溜めないことが大切です。
お家でできる対処法でも良くならない場合は、歯科医院に行き相談してみてください。
(歯科医院でできる対処法)
◯歯のコーティング
原理は知覚過敏用の歯磨き粉と同じですが、より高濃度の薬剤を使用します。
◯フッ素塗布
フッ素により歯の表面構造が変化するため、歯が強化されます。
◯マウスピース
歯ぎしり・食いしばりによって歯に加わる力を軽減させます。
◯コンポジットレジン(CR)
象牙質が露出している部分をコンポジットレジン(樹脂)で埋めます。
◯神経を取る
知覚過敏の症状が生活に支障をきたすレベルであれば、神経を取る必要があります。しかし、神経を取ると、一般的には歯の寿命が短くなるので、最終手段になります。
みなさんいかがでしたか?
毎日の食事で知覚過敏の症状が出るととても不快ですし、美味しくご飯が食べられなくなってしまいます。
また、知覚過敏を放置しておくことによるリスクもあります。
症状がある方は、ぜひ今回ご紹介した対処法を試してみてください!